Chief blog塾長ブログ

2023.04.21

AIを土台に、高みを目指す教育

私たちは、AIに答えを求めるのではなく、AIの出した答えをベースとしてよりよいものを作り上げていく学力の育成を目指します。ChatGPTの使用の規制も一部の教育機関では主張されるものの、近年の将棋の発展がAIを活用した研究の成果だという事実を鑑みると、人間の学びとAIとは協力すべきものであり、遠ざけるものではありません。人間側にAIを活用する能力があれば、今までの限界を乗り越え、さらに高みを目指すことができます。

ChatGPTの利用を禁止する先生がいる一方で、ChatGPTを積極的に活用するよう学生にアドバイスする先生も少なくありません。後者は、AIなどの最先端技術を専門とする大学の先生が多い印象を受けます。彼らはChatGPTは完全ではなく、人間はその上を目指す、つまりChatGPTのレベルをベースとし、その上のことを学生は考えていくべきだと思っているのです。自ら考え、ChatGPTを参考にし、より高いものを目指していくことは、学問や社会の発展、その若者の人間的成長につながります。

今の40代、50代は10代の時にスマホの普及やインターネットの発達など想像すらしていませんでした。おそらく今の10代が社会の中心になる頃には、現在では想像すらできないデバイスが発明・開発され、それが普及している世の中になっているでしょう。新しい社会に積極的に関わっていくことは、AIに依存しすぎては、かなわない願いです。AI将棋で差し手を「カンニング」したところで、強くならないのと同じことです。模範解答のない社会にこれから進み、その主体的な構成員となる若者にとって必要なことは、自分が学んだことを、新しいことに適用し、自分を成長させていくことだと私は信じています。

確かにChatGPTコマンドを入れるだけで、大学でのレポートから小学校での読書感想文まで、あっという間に課題をこなしてくれます。そのため、大学では学生がこの新しいAI技術を使い、レポートや論文を提出するのではないかという懸念もあります。ただ、ChatGPTの出現で若者が苦労することなく成果を得ようとし始めたわけでありません。このきっかけは、中学校や高校での定期テスト対策や英検対策という「○○対策」だと思われます。「○○対策」で帳尻を合わせた経験のある若者は、ChatGPTに答えを求めて帳尻を合わせ、AIの答えを土台として高みを目指すことはないでしょう。

何かと「実用的」「対策的」なことを求められる学習塾で「安易な対策を考えない学び」を前面に出すことはマイナスになるかもしれませんが、これから日本が先進国であり続け、豊かな国であることを取り戻すためには、若者の学びを考えることが必要です。「1年の計なら穀を植え、10年の計を立てるなら木を植え、100年の計を立てるなら人を教育する」といわれるように、多くの知識を学び(授業)、それを自分で消化(自習)する環境を若者に与えることは、「最小限度の努力で帳尻を合わせる」という対策を教えるよりも、大切なことではないでしょうか。私たちは千葉市美浜区から、中高生が主体的に学び、世の中に貢献できる能力を持てるような教育を行います。