2026.03.07
今年でSアカデミーは開校から10年になります。
塾を始めた当初、私はある意味とても単純に考えていました。「しっかりとした授業をすれば、生徒は自然と集まるだろう」と思っていたのです。
当然ながら授業には自信がありました。生徒と対話しながら進める授業、分かりやすい説明、そして勉強するモチベーションを大切にする授業。こうした授業を続けていけば、塾は自然と成長していくはずだと考えていました。
しかし、実際に塾を運営してみると、そんなに単純ではありませんでした。
もちろん授業はとても大切です。ですが、この10年で分かったのは、それだけでは塾は成り立たないということでした。
塾というのは授業だけでできているわけではありません。質問に来た生徒への対応、学習相談、生徒との何気ない会話、そして塾全体の運営。こうした日常の積み重ねがあって初めて、塾はうまく回っていくのだということを、この10年で学びました。
現在のSアカデミーは、多くの大学生スタッフに支えられています。彼らは中学生や高校生の質問に対応し、学習相談を行い、ときには雑談をしながら生徒との距離を縮めています。そして特徴的なのは、スタッフが生徒全員の名前と顔を覚えていることです。
現在、塾には70〜80人ほどの生徒がいます。大学生スタッフはそのほとんどの生徒の名前と顔を一致させています。実は、これはなかなかできることではありません。
また、中学生が質問に来たときには、スタッフは自分の作業を止めてすぐに対応します。分からない問題があれば、その場で一緒に考え、必要であれば調べながらでも解決しようとします。こうした姿勢が、塾の雰囲気を作っているのだと思います。そしてもう一つ嬉しいのは、大学生スタッフ全員が卒塾生だということです。Sアカデミーで学んでいた生徒が大学生になり、今度は後輩を支える側になる。そして今の中学生や高校生も、将来また当塾を支える存在になるかもしれませんし、なってほしいのです。大学生として運営側に入ると、人間として大きく成長していきます。
この循環が生まれてきたことは、この10年の中でとても嬉しい出来事です。
もちろん、授業については今でも一切妥協していません。Sアカデミーの中心はあくまで授業です。しかしこの10年で、授業だけではなく、塾全体の運営や人の関わり方も少しずつ形になってきました。これから5年、10年先も、授業の質を大切にしながら、さらに成長していける塾でありたいと思っています。