Chief blog塾長ブログ

2025.12.31

効率よりも、人間的な関わりを大切にしたい

たまには、Sアカデミーらしい「少し面倒くさい」話をします。

当塾に合う生徒・保護者の方は、ひとことで言えば「人間が好きな人」です。これは学生スタッフも同じで、人間が好きな卒塾生がスタッフとして残ってくれています。だから中学生から質問があれば、その場で手を止めて話を聞きます。受験学年の生徒には、一人ひとりにメッセージカードを書き、手渡します。(今年の中学3年生は、10枚以上のカードを受け取っています。)――そんな学習塾です。

一方で、当塾に合わない生徒・保護者の方は、「教育にタイパやコスパを求める人」です。
そもそも教育と効率は、根本的に相容れないものです。
「効率的に勉強したい」と言われても、そんな都合のいい方法があるなら、世界中の教育はとっくに変わっています。
また、「教育的陰謀論」を求められても困ります。コスパは、しばしば誰かの犠牲の上に成り立ちます。誰かの犠牲の上に成り立つ教育など、存在しません。

「人間が好きな人」には、一つだけ注意点があります。
自立した自己がないと、自己犠牲に陥る危険があるということです。
相手のために無条件で何かをしようとするのではなく、「自分にできる範囲でサポートする」ことを大切にしてほしい――そんな思いで、生徒にもスタッフにも伝えています。

だからこそ、職員室での雑談タイムや、仕事終わりの食事会のような時間を大切にしています。
私はそうした場で、スタッフの話をじっくり聞き、お互いに「自分たちにできること・できないこと」を語り合う――そんな“組田塾”の時間を大切にしています。

世の中にはいろいろな人がいて、いろいろな教育業者があります。
保護者の方にとっては、お子さまに最善の選択肢を考えることが大切でしょう。
しかし、当塾に合うのは、「お子さまに人間的な関わりを大切にしてほしい」と願う哲学を持ったご家庭のお子さまです。

2025.12.15

塾の倒産を考える

また、学習塾の倒産に関するニュースが報じられました。責任のなすり合いをしているようですが、ここで学んでいた生徒の皆さんへの影響が最小限であることを祈っています。

「少子化が原因」では語れない問題

今回の話題を「少子化が原因だ」「募集の仕方が悪かった」といった表面的な要因で片づけるつもりはありません。
(ちなみに当塾は株式会社共進の一部門として運営しており、きわめて健全な経営を維持しています。)

むしろ考えたいのは、
「保護者の方はどのような学習塾にお子さんを預けたいと思うのか」
そして
「一部の学校が授業を学習塾や予備校に委託している現状は本当に適切なのか」
という点です。


資格も免許もいらない、参入障壁の低い業界

学習塾という業種は、資格も免許も不要。スーツを着ていれば教育の専門家に見えてしまう世界です。
営業的に生徒を集め、経営が成り立てば「成功」といわれる。
個人塾は代表者の個性が前面に出ますが、大手ではその顔が見えにくくなります。

「教育を知らなければ、建前で話せばいい」──そんな風潮もあります。
進路指導では人間の成長を考えず、偏差値だけを見て「この高校を受けましょう」と言えば済む。
授業が苦手なら演習を増やせばいい。宿題を多く出せば「やっている感」は出る。
それで“教育”を語ることもできてしまうのです。


生徒が集まらなければ、どんな理念も消える

どんなに理想を掲げても、生徒が集まらなければ塾は消えていきます。
参入障壁が低い分、撤退障壁も低い。静かに消えていくのです。

そのとき、教育理念も進路指導も、授業の巧拙も関係ありません。
生徒が集まらなければ終わり──それが現実の学習塾です。
いわば、「私立高校の劣化版」のような構造が、業界には存在しています。


塾にも「カラー」がある。でも嘘はつかない方がいい

塾や予備校にはそれぞれの“カラー”があります。
教科に軸足を置くのか、教育理念に軸足を置くのか、あるいは営業に軸足を置くのか。

ただし、営業中心でありながら
「子どもの教育を第一に考えます!」
というようなきれいごとのコピーを掲げるのは嘘です。

教科中心なら、「教えることで本当に学力が伸びるのか」を問い直す。
教育を軸にするなら、「自分は属人的な学習塾なのだ」と自覚する。
営業と教育の両立は簡単ではなく、その逆もまた然りです。


「対策」に頼らないこと

保護者や生徒の方々にもお伝えしたいのは、
「対策」にばかり頼らないほうがいいということです。

過去問演習は意味がありますが、
大学の先生が「塾に対策されるような問題」を出すでしょうか?
それは大学を過小評価しすぎです。

大学が求めているのは、
「しっかり勉強してきた高校生」であって、
「対策をこなしてきた高校生」ではありません。

実力が伴わないのに“対策”でゴールを目指すのは、そもそも無理があります。


学校の先生は、実はとても優秀

私はこれまで学校と塾の両方を見てきました。
あくまで個人の経験ですが、学校の先生方は総じて優秀です。

ニュースで取り上げられるのは一部の“変わった先生”ばかりですが、
どの学校にも素晴らしい先生が3割はいますし、
さらに「安心して子どもを任せられる先生」が5割はいます。

中高生という扱いの難しい年代を、少人数の教師が教育し、
修学旅行や遠足では「添乗員+教育者」として安全に導く。
不測の事態にも冷静に対応するからこそ、事故がないのです。


子どもを守る最後の砦は「学校」

超少子化の時代、多くの塾や予備校はこれから倒産・縮小していくでしょう。
しかし、その中でもいちばん子どもを支えてくれるのは学校です。

だからこそ、学校の先生方の人数を増やし、
一人ひとりに余裕を与えて、
放課後や夏休みの補習を学校内で完結できる体制を整えること。
それが、これからの教育に最も必要な改革だと思います。

2025.11.07

人間的な学びを大切にします

1. 効率化の時代に生まれた歪み

いま、教育は“効率”を合言葉に変わろうとしています。
AIが正解を導き、映像授業が全国をつなぎ、
学びは数字とデータで測られるようになりました。

けれど、どんなに速く答えにたどり着いても、
「考える力」や「感じる力」は、時間の中でしか育ちません。
効率化の波は、人間の学びから「余白」を奪いつつあります。

2. 映像を否定しないが、対話授業を忘れない。

Sアカデミーは、高校生の一部教科で映像授業を活用しています。
それは、効率を賢く使うため。
しかし、英語・数学・国語――この三つだけは、
人と人が向き合う非効率の時間を、何より大切にしています。

正解を聞くよりも、自分で考える。
映像を観るよりも、対話の中で理解を深める。
時間がかかり非効率に見えるかもしれませんが、
その“非効率”の中にこそ、学びの本質があります。

3. 教室という学び舎
私たちの教室には、静寂があります。
それは、思考が動いているからです。
質問する声、ノートに走るペンの音、先生方のまなざし。
そのひとつひとつが、生徒の中に「考える自分」をつくっていきます。

間違える勇気、話す勇気、考え続ける粘り。
それらは映像では再現できません。
人が人を育てる。
それが、私たちの信じる教育の形です。

4. 私たちの答え

非効率が人を育て、人を進化させます。
分からない部分は自分で調べ、解決しなければ先生に聞く。
試行錯誤を通じて、人は成長していきます。
学びのサポートとして、卒塾生のチューターがいる。
学びの主体は、皆さん自身です。

5. 私たちの約束

生徒を効率的に考えず、長い人生の中での成長を大切にする。
結果は後からついてくる。大切なことは最後までやり遂げる力である。
その皆さんの成長を、講師と卒塾生チューターが支えていきます。

6. 最後に
Sアカデミーは、小さな塾です。
けれど、その小ささは、目が届く距離であるという強みです。
効率化が教育を支配する時代に、
私たちは人間的な学びを守り抜きます。

――非効率が人を育て、人を進化させる。
それが、Sアカデミーの信念です。

2025.09.10

高校生の評定平均と中学校の内申点との違い

中学校までの「内申点」と、高校での「評定平均」。
どちらも成績を表す数字ですが、仕組みが異なるために戸惑う保護者の方が多いようです。
中学校の内申点は「加算型」です。テストや提出物、授業態度などでついた評定を積み上げていき、最終的に合計点で評価されます。したがって、極端に苦手な教科があっても、他の科目でカバーできるという面がありました。
一方、高校の評定は「平均型」です。正式には「評定平均」と呼ばれ、すべての科目の評定を合計して科目数で割ることで算出されます。たとえば、英語や数学のような主要教科も、美術や体育といった実技科目も、すべて同じ「1科目」として扱われるのが特徴です。

ある高校生が5科目で次のような評定を取ったとします。
英語:5 / 数学:4 / 国語:4 / 理科:3 / 社会:4
合計 = 5 + 4 + 4 + 3 + 4 = 20
科目数 = 5
評定平均 = 20 ÷ 5 = 4.0

ここで理科が「3」ではなく「2」になった場合を考えます。

合計 = 5 + 4 + 4 + 2 + 4 = 19
科目数 = 5
評定平均 = 19 ÷ 5 = 3.8

わずか1科目の評定が1下がるだけで、評定平均が「4.0」から「3.8」へ。大学によっては「評定平均4.0以上」が出願条件になるため、この差は大きな意味を持ちます。

こうした背景から、当塾では高校1年生の評定平均を高められるように、個別指導プログラムを新たに始め、そのための無料モニター生を8名募集します。

  • 期間:10月〜翌年2月
  • 形式:週1時間
  • 料金:無料(集団授業受講生限定)

この個別指導は、通常の「勉強を教える」スタイルとは少し異なります。目の前の問題を解くだけでなく、「分かっていない部分を意識化させ、苦手科目にどのように向き合うか」に重点を置きます。自分の弱点に気づき、改善の方法を考えることが、高校の学習では何より大切だからです。

【参加条件】

  • 当塾の集団授業を受講していること
  • 本人が「しっかり勉強する」姿勢を持っていること
  • 大学進学を考えていること

※なお、この個別指導には「振替制度」はありません。あくまで主体的に参加できる生徒のためのプログラムです。

2025.09.09

推薦・総合型選抜時代の大学入試 ― 親世代が知っておくべきこと

学校推薦・総合型選抜による入学者は年々増加しています。文部科学省の資料によれば、すでに私立大学の入学者の60%以上が、一般入試の学力検査ではなく、推薦や総合型選抜を通じて入学しています。保護者世代、とくに50代以上の方にとっては「隔世の感」があるかもしれません。「総合型選抜? AO入試はどうなったの?」と感じる方も少なくないでしょう。

かつて存在した「一芸入試」と比べれば、学校推薦も総合型選抜も大きな進歩です。例えば、高校入試でも一時期「一芸」を披露する方式がありました。楽器の演奏なら理解できますが、野球経験のない生徒に素振りをさせたり、円周率を途中まで暗唱させたりと、首をかしげるような光景もありました。そうしたものと比べれば、現在の入試はずっと妥当性があります。

「学校推薦」は高校での学習や活動の成果を評価する制度です。一方、「総合型選抜」は受験生の適性や意欲を大学で生かしてもらいたいという、大学側の期待が込められた制度です。両者は「一芸入試」とは異なり、大学での学びに直結する資質を見ようとしています。

ただし、最近気になる情報を目にしました。YouTubeでとある学習塾の動画を見たところ、「偏差値が低くても総合型選抜なら有名大学に合格できる!」と宣伝されていたのです。実際には、そのような低い学力水準で多数の合格者を出すことは難しいはずです。大学の先生方も決して甘くはありません。小手先のテクニックで突破できるほど入試は単純ではないでしょう。

具体例を挙げれば、千葉工業大学は入試で数学Ⅲを課していません。しかし大学の公式データによると、留年・退学率は約7%に上ります(2012年時点では約17%でした)。特に数学Ⅲを必要とする学科では、さらに高い数字になっている可能性が十分に考えられます。理系大学では、学ぶために必要な知識が明確です。文系大学の場合も、必要なのは「学ぶ姿勢」です。学力があっても真剣に学ぶ意欲がなければ苦労しますし、偶然合格できてもその後の大学生活が充実するとは限りません。

そのため、学校推薦では評定平均が重視され、総合型選抜では「あなたは何者で、大学で何を学びたいのか、社会でどんな役割を担いたいのか」が問われます。そして大学で学ぶ姿勢を測る指標のひとつが、英検などの資格試験です。

これから推薦・総合型選抜の比率はさらに高まっていくでしょう。学習塾業界が生徒募集を意識するのは当然ですし、当塾も例外ではありません。ただし教育に携わる者として、「楽に合格できるテクニック」という誤解を与える発信は、百害あって一利なしだと考えます。教育業界に身を置く私たちは、入試制度の本質を踏まえ、生徒に正しいメッセージを伝えていくべきです。

2025.07.23

どうしてSアカデミーの中学生は1クラス編成なのですか?

これは、私たちの「哲学」です。

「学習塾が“教育”を語るなんておこがましい」——そう思われるのは百も承知です。ですが、Sアカデミーとして、どうしても譲れない考えがあります。

たとえば、大手塾がよくやっている「友だち紹介キャンペーン」。友だちを紹介するとクオカードがもらえたり、成績が良いからという理由で授業料が無料になる「特待生制度」があったりします。

でも私は、子どもに「金券をあげるから友だちを連れてきてね」と言って、友だちを誘わせるようなことはしたくありません。そんな子に育ってほしくないからです。

今回の動画では、「クラス分けは簡単にやるべきではない」という話をしています。誤解のないように言っておくと、クラス分けそのものを否定しているわけではありません。ただ、成績の良い子を優遇するためのクラス分け——これは、「教育」を名乗る塾がやるべきことではないと思っています。

よろしければ、動画もご覧ください。

2025.05.03

子どもの成長・保護者の成長

この三月に長男が大学を卒業し、四月から就職しました。
これで三人の子ども全員が自立したことになります。父親としての役目を果たしたような、少し寂しいような、でもホッとした気持ちもあります。

子育ては本当に難しいものです。
ジレンマの連続であり、そのジレンマと日々向き合っていく作業のようにも思います。

子どもには学力をつけてほしいし、受験では志望校に合格してほしい。できれば、福利厚生が整い安定した企業に就職してほしい。親なら誰もがそう願います。

でも、有名高校や有名大学に進んだからといって、必ずしも幸せになるとは限りません。
職場の人間関係に悩んで心をすり減らしている人もいます。親としてどう導けばいいのか、いつも考えさせられます。

できるだけ苦労はさせたくないと思うのが親心です。
でも私は、成長に下駄を履かせることには慎重であるべきだと感じています。

本来子どもが言うべきことを親が代わりに言ったり、先回りして障害を取り除いたり、時には親の力でトラブルをおさめようとする。そうしたことは、結果的に子どもの自立を妨げることになりかねません。

幼い頃から有名校に入れるという判断の中にも、親の先回りがあるのかもしれません。

人は自分で決めて、自分の人生を歩くものです。
親に道を整えてもらってばかりでは、成長する機会を逃してしまいます。

小さい頃は、ちょっとしたことで「うちの子は天才かも」と思うものです。
車の名前を覚えたり、ひらがなが読めたり、話し始めるのが早かったり。それだけでうれしくなる。私もそうでした。

でもやがて、「うちの子は天才じゃないよな」と気づきます。
まぁ、私たちの子ですから、当然かもしれません。

それでも親は、子どものために心を尽くします。
時間を使い、お金をかけ、日々を過ごします。

子どもが笑ってくれれば嬉しいし、困難を避けてあげたいとも思う。できれば遠回りせずに幸せにたどり着いてほしい。そう願わずにはいられません。

けれど、遠回りこそが人を育てるのだと、私は思います。

うまくいかない経験、思うように結果が出ない悔しさ、自分の力で乗り越えた達成感。
そうした積み重ねの先に、自分の足で立つ強さが生まれます。

そしてそれこそが、子どもたちが生きていくための力になる。
我が子を通して、私自身が学ばせてもらいました。

塾で教えているのは、勉強を通じた自立の訓練です。

できなかったことができるようになる喜び。思うようにいかないときに、あきらめずに工夫して取り組む姿勢。それを大切にしてほしいと願っています。

点数も大事ですが、それ以上に学んでほしいことがあります。

保護者の皆さまには、時に黙って見守ることも、ぜひ大切にしていただけたらと思います。

子どもは親の言葉以上に、その生き方を見ています。
何を大切にしているのか。それは自然に伝わっていくものです。

そして願わくば、いつか子どもたちが、親の愛情や苦労に気づき、感謝できる人になってほしい。

親のありがたさは、大人になってから気づくことが多いものですが、学習塾に来て授業料を出してもらうことを当然と思わずに、感謝してもらいたい。

親が何かしてくれることを当然と思うのではなく、自分がどれだけ愛されているのかということを意識してもらいたいのです。

だから当塾では入会時に、保護者の方には見守ってくれるというに伝え、お子さんには保護者の方に感謝しなさいといっています。

2025.04.25

国語科・都筑靖先生の紹介

この春から、Sアカデミーに新たな風を吹き込んでくださるのは、都筑靖(つづき・やすし)先生です。都筑先生は、市川学園で40年にわたり国語教育に携わり、多くの受験生を国語の面からサポートしてこられました。その豊富な経験と深い知識を活かし、以下の講座を担当していただきます。

  • 中学3年生 国語
  • 高校2年生 国語総合
  • 高校3年生 現代文

都筑先生の授業は、単なる知識の伝達にとどまらず、文章の背景にある作者の意図や時代背景を深く掘り下げ、生徒一人ひとりの思考力を養うことを重視しています。その指導法は、多くの生徒たちから「目から鱗が落ちるような体験だった」と高い評価を受けています。おそらくベイタウンにお住まいの市川学園の卒業生の方で都筑先生の授業を受けていた方はご存じのことでしょう。

都筑先生が長年指導されていた市川学園は、千葉県内でもトップクラスの進学校として知られています。特に近年の進学実績は目覚ましく、2025年度には以下のような成果を上げています。

  • 東京大学:17名
  • 京都大学:6名
  • 一橋大学:12名
  • 東京科学大学(旧東京工業大学):20名
  • 慶應義塾大学:111名
  • 早稲田大学:173名
  • 上智大学:122名
  • 明治大学:153名
  • 青山学院大学:45名
  • 立教大学:66名
  • 中央大学:59名
  • 法政大学:75名

これらの実績は、都筑先生が国語の面から受験生をサポートしてきた成果の一端を示しています。

都筑靖先生の授業に興味をお持ちの方は、ぜひ体験授業にご参加ください。当塾では、随時体験授業を受け付けております。「現代文が伸びない」という受験生にはぜひとも体験していただきたい授業です。

2025.04.02

英語長文読解について

英語長文読解について新規入会の高校生から、「長文読解と全文訳とはどう違うのですか?」という質問を受けました。確かに私の授業は全文訳とはちょっと違うので、具体例を出して紹介します。

  • In many Japanese schools, students look forward to two special events every year: the sports festival and the cultural festival. These festivals are important because they give students a chance to show their talents and work together. However, some schools have noticed that fewer people come to these events than before. In order to make these festivals more exciting, students and teachers are thinking of new ideas to attract visitors.

この文章が題材ならば、何をテーマとするかを講師は考えます。たとえば高校1年生上級を意識して文法を中心に据えるなら、つぎのような視点です。

  1. 現在完了have noticed 過去からの変化の認識(完了用法)
  2. to不定詞 to show their talents 名詞(chance)を修飾=形容詞的
  3. 接続詞 because / however / in order to 文の論理構造を作るカギ
  4. 比較表現 fewer than before 比較対象の補完・可算/不可算の区別
  5. in order to構文 in order to make~ 明確な目的表現、英作文にも有効

ただこれだけだと、長文読解なのか「複数の1文解釈」なのか分かりません。そのため、文と文との繋がり(cohesion)や、段落・全体のまとまり(coherence)を意識させることが大切になります。

この文章は4文で成り立っていますが、この「つがり(結束性)」と「まとまり(一貫性)」は次のようになっています。

◎つながり(結束性)
【指示語】(指示語や言い換えは、表面的な単語のつながりを作る重要なヒント)

  • These festivals(2文目)
     → 直前の “the sports festival and the cultural festival” を受けています。
     これにより、文2と文1の間に明確な照応関係が生まれている。
  • these events(3文目)
     → “festivals” の言い換え。繰り返しを避けつつ、話題の一貫性を保っている。

【接続語】(接続表現によって、文の関係性(理由・対比・目的)が読み手に明確に伝わる)

  • because(2文目)
     → 文1の主張「these festivals are important」に対して理由を提示し、因果関係を明示している。
  • However(3文目)
     → 文2までがポジティブな評価(大事である)だったのに対し、逆接の論理関係でネガティブな問題提起に転じている。
  • In order to(4文目)
     → 文3の問題提起(来場者が減った)に対する目的・対応策の提示している。

◎まとまり

1文目で述べられる、「生徒が楽しみにしている学校行事(sports & cultural festivals)」が段落の中心話題(theme)です。それが次のように展開しています。

  • 1文目 話題提示   日本の学校行事(祭り)の紹介
  • 2文目 意義の説明  なぜそれが重要か(協働・才能発揮)
  • 3文目 問題提起   来場者数の減少という現状
  • 4文目 解決策の提示 魅力向上に向けた取り組み

このような視点で長文読解をした後で、生徒は宿題として音読をします。1日5回で30回。しっかりと音読をしたかどうかをcloze testで確認します。

In many Japanese schools, students look ( 1 ) to two special events every year: the sports festival and the cultural festival.
These festivals are important ( 2 ) they give students a chance ( 3 ) show their talents and work together.
( 4 ), some schools have ( 5 ) that fewer people come to these events ( 6 ) before.
( 7 ) ( 8 ) make these festivals more exciting, students and teachers are ( 9 ) of new ( 10 ) to attract visitors.

 

長文読解とは1文1文を訳すだけでは、長文を読むスピードはつきにくいし、文章を最後まで読んでも内容が頭に残りにくいのです。

2025.03.04

「効率的な学習」は幻想

教育の専門家なら、「効率的な学習」など存在しないことを知っています。本当にそんな方法があるのなら、誰も学習に苦労することはありません。もし「効率的な学習法」が確立されているならば、すでに私立学校が導入し、素晴らしい実績を上げているはずですし、教育界に革命が起きているでしょう。しかし、そのような事実はありません。つまり、「効率的な学習」というものは存在しないのです。
学力を向上させるための唯一の方法は、質の高い授業を受け、しっかりと自習することです。内容を深く理解し、繰り返し学習することでしか学力は伸びません。もちろん、中には天才的な人もいるかもしれませんが、私のような普通の人間にとって、それ以外の方法はないのです。
当塾では、教育課程をしっかりと踏まえた授業を提供し、集中して学習できる自習室を用意しています。本気で自分の力を伸ばしたい皆さんをお待ちしています。