Chief blog塾長ブログ

2021.01.11

「勉強の仕方が分からない」といわれたら(保護者向け記事)

  • 「勉強の仕方が分からないと子どもがいうのですが、どうなっているのでしょうか?」

これは、よく聞く話です。私も学校の教員時代にも、現在でも相談を受けます。もちろん、英語については「音読すること」や「ドリル学習」「復文」「リードアンド&アップ」など、勉強の仕方は、授業中に行っています。だから、「勉強の仕方が分からない」ということへの直接的な回答は「授業で行っています」なのです。しかし、それで解決はしません。

そもそもですが、誰しも都合の悪い本音は語りません。そして100%正しいアドバイスなど、役に立ちません。

  • なんでタバコを吸うんですか?」 → 「ストレス解消のため
  • どうして二日酔いになるまで飲んだんですか?」 → 「お付き合いというのがあってだな・・・

これ、両方とも本音じゃないですよね。タバコでストレスが解消されるなら、喫煙はもっと奨励されるでしょうし、付き合いがあるから飲むわけじゃないですよね。タバコを吸いたいから吸う、アルコールを飲みたいから飲む、というのが本音のはずです。(昔、「タバコを吸っているといいアイディアがひらめく」といわれたことがあるけど、そうするとタバコを吸わない人はアイディアが閃かないってことですかと尋ねると、黙ってしまいました)

「タバコは健康に悪いからやめなさい」「酔っ払うと周りに迷惑をかけるからやめなさい」といわれて、「あ、目からうろこだ!タバコはやめます。アルコールはビール一本までにします」となる大人はいますか? いませんよね。タバコは健康に悪いと分かっているし、飲み過ぎだって褒められたものではないとほとんどの人が分かっているんです。だからこの話題になると、自分自身を守るために、その場からいなくなったり、妙な言い訳をしたりするわけです。

これは子どもも同じです。

「勉強しなさい」という100%正しいアドバイスに対して、反論できません。自分でも勉強しなければならないと分かっているのですが、どうしてもその気にならないときに、「勉強しなさい!」といわれたら、「勉強する気はありません」とはいえませんよね。だから、「勉強の仕方が分からない」というわけです。

「だったら、勉強の仕方を教えてもらいなさい」では何の解決策にもならないのは、「タバコの害について、この資料を見てください」と同じです。

時には我慢しても見守り、お子さん(生徒)のちょっとした変化を見逃さず、適切なタイミングで学習を促していくしかないのです。