塾長ブログ

2018.09.19

骨太の学力

将棋の解説を聞いていると、

  • 自然な一手ですね
  • 気持ちのいい手ですね

というのが、序盤から中盤にかけてあります。自分の流れを加速させる一手のことがほとんどです。もちろん、終盤戦では相手玉を積ませるために対策をしていきますが、序盤や中盤では自分の優位を拡大していきます。

 

これって、学習でも同じじゃないでしょうか。

 

英語学習で「自然な一手」とは、文法を学び、単語を覚え、英語を書き、音読しなどなど、英語の基礎力を高めていくことでしょう。「気持ちのいい手」とは、「読めなかった英語が読めるようになった」「聞き取れなかった英語が(少しは)聞き取れるようになった」ということでしょう。

「効率の良さ」は確かに大切です。

しかし、あえてこんな書き方をしますが、「素人目線で効率の良さ」を考えても、あまりプラスになることはありません。将棋や英語学習だけではなく、料理だって、車の運転だって、事務仕事だって、農業だって、漁業だって、全て同じです。もちろん、効率の良さを追求してうまくいく例だって少しはあるでしょうが、そんな「少し」を追い求めて挫折していく人の方が圧倒的多数ではないかな。

 

地力のついていないときから「対策」を求めることは、

  • 努力をあまりしたくないから、最短距離を教えてよ

ということです。「最短距離」は「地力をつけること=骨太の学力をつけること」です。拙著の『短文で覚える英単語1900』はいい教材ですが、300の例文を覚えることはたいへんです。田中健一先生の「10題ドリル」も、独学で完成するのはたいへんです。「あれだけやっておけばいいよ」というような、覚悟もなく学んだところで、挫折するのがオチです。

 

楽して入りたいなら、うーん、裏口でお願いすることかな(あるかないか、分からないけど)。

それがイヤなら、高校3年生の秋までは、徹底的な骨太の学力をつけることが、いちばんの「対策」です。

2018.08.13

中堅の生徒を伸ばすコツ②

田中先生(@TNK_KNCH)の高校英語の初級レベルの高校生に対する愛情は強いものを感じます。自分自身も、英語力を5段階に分けたときに、D~Cの生徒にどのようにアプローチするかを考えていたので、少し長くなりますが、ベストだと今の段階で思われる方法を隠さずに書いていきます。

「今のままじゃマズい」と思って生徒は学校の先生や、学習塾にきます。これはすごいと思うんですよね。「苦手なものを克服しよう」と、今まで彼らを傷つけてきた英語を乗り越えようとするのですから、その決意は大切だと思います。だからこそ、最初に大切なことは次のこと。

  • 決意を大切にして、覚悟を確認する

次に、「なるほど!」という体験を提供します。「アハ体験」というか、「自分にも分かった!」というか、その覚悟に報いる仕事をします。「自分にもできるんじゃないの?」と思ってもらえるようなサポートをします。確かに、「入り口」でベストな学習的要素は文法だったり、単語だったりするでしょう。でも、私は長文がいちばんいいと思っています。全文を訳したり、細かい構文をとったり、なんて必要ありません。「あ!こんな風に勉強したら、英語が分かるようになった!」というのが、「なるほど!」という体験です。最初はリスニングで、「げ、この英文、ぜんぜん分からん」という長文で、それが授業の最後に同じ条件でリスニングをしたら、「あ!こういうことだったのか」と思わせる。最初と最後の理解の落差は大きければ、大きいほどいい。最初のリスニングで分からなくても、生徒はその授業は逃げません。だから、最初の授業はいちばん大切になります。その授業で必要なことは次の通り。

  • 細かく説明しすぎないこと
  • 音読を行う
  • オーバーラッピングを忘れずに
  • リード&ルックアップ

シャドウイングをこよなく愛する人もいますが、シャドウイングと英語学習との関係を考えれば、私はあまり重要視しません。せいぜい、お遊び程度でいいんですよね。この経験をさせることで、「これなら、自分にもできる。英語が分かるようになるんじゃないか」と思うようになります。ということで、2番目に必要なことはこちら。

  • 授業終了後に、「できた!」と感じさせる。

ここまでは、生徒の様子をみながら授業を進めなければなりません。「ここで引っかかっているな」と思えば厚く、「順調にいっている」と思えばしつこくなく、ということが必要です。私がずっといいたいことは、映像授業(これを「授業」と呼ぶことには私は大いに抵抗がある)は一方通行なので、D~C(あるいはBも?)の生徒が見たって、たいして役に立たないと思っていますし、これからも思うでしょう。一方通行のコミュニケーションは、相手にそれを受信する能力がなければ、無理だと私は思っています。もしDVD視聴で映像授業で英語が分かるようになる教授方法があるならば、全国の生徒はもっと英語力が上がっているでしょう。

話題を元に戻します。

この「できた!」という感覚を持てるようになってから、文法なり、単語にようやく入れます。英語学習のドアが開かない限り、文法や単語を学ぼうという意欲が生まれるはずありません。

ここまで到達すれば、あとはそのままで英語を学ぶわけではありません。目に見える「成果」が必要です。模試?いやいや、あまり模試はないでしょう。大人の事情で、ここでは書けないのですが、もし知りたければ、ご連絡下さい。可能なのは、学校か小規模の学習塾かな。(フリーメールで、名前も職業も名乗らない人からたまーに連絡をいただきますが、例外なく削除しています) ちなみに「成果」は、山口県での研究会で学んだことをそのまま使っています。

  • 生徒が、自分の英語力が伸びている実感を持たせる

ここまでくれば、「10題ドリル」「短文1900」学習のスピードアップが可能です。

  • 人間は理性で動くのではなく、感情で動く

これは、英語学習でもそのまま当てはまります。

2018.08.09

中堅の生徒を伸ばすコツ

「生徒が英語が分からない原因はどこに?」
と積極的に考えたのは今から15年20年ほど前のことです。
(年齢を重ねていることをたまに忘れることがあります;笑)

「文法が分かれば英語が分かるだろう」と思いでプリントを作り、
それをまとめたのがこちらでした。

「分かりやすい!」とおだてられ、木に登ったのですが、
それでもなかなか学力に直結しない。

「文法と平行して、単語力をつけさせたい」と思い、
作ったのがこちら。

こちらは、文英堂と桐原書店の両方が出版を考えてくれました。
「高校初級」ということで作ったのですが、
桐原は「高校生の学参としては簡単すぎる」ということで、
ご縁がなくなりました。(営業氏は頑張ってくれたんですけどね)

自他とも認めるできの良さだったので、
Mという個別全国チェーン学習塾で使っていただいたのですが、
こんなことをいわれました。

  • 「講師が上手に教えられません」

そこで、教えるマニュアルを作ったところ、
そちらも不評(笑)。
やはり、プロでなければ教えられないのだなぁ。

だったら、プロの指導がなくても、覚えられる一冊を作ろう!
と思い、作ったのが、こちら。

「ピーナッツ」がアイディアの原型ではありますが、
コロケーションで分けていることと、
同じ単語を2回使わないという工夫をしました。
(return homeを動詞+名詞のコロケーションに入れているのが痛恨のミスです)

さきほどの「短文1900」を
個別指導講師が教えられないのは、
名詞句という概念を持っていないことに気づきました。
そして「語順」という発想も持っていませんでした。

そこで、語順シートをマスプリントできるようにし、
「基礎ドリル」を作りました。(その一部を「フレーズ1400」に入れています)

 

こんなことを書くと身も蓋もなくなってしまいますが、
中堅の生徒を伸ばす秘訣は、

  • だったら、英語以外を勉強します

といわせないようにすることです。
究極はこれです。

「いわせない技術」は「英語を教える技術」とは
フォークギターとクラシックギターくらいに違うものです。

おそらくですが、安河内さんや関さんは、
「いわせない雰囲気作り」がうまいんだと思いますよ。

たぶんですが、「うまいだけ」なんでしょうね。
だから、「教える技術」についてはあまりエラそうなことは
いわない方がいいと思うんですけどね。
私も同じカテゴリーの末席にいるので、あまり英語云々とはいいません。

ちなみに、松井先生はハイブリッドという非常に希有な先生です。

           
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