Chief blog塾長ブログ

2021.02.25

「合格実績」と「合格」との違い

早いもので、教員を辞してからまもなく6年になります。教員時代には「民間の人はさぞかしすごいのだろう」と思っていましたが、それも人それぞれです。教員時代には「予備校神話」がありましたが、それも人それぞれです。民間にも立派な人もいれば、そうでもない人も少なからずいます。大手予備校の講師も人それぞれ。立派な人もいれば、そうでない人もいますが、私は若いときに尊敬できる先輩教師から学べたことが幸せだったのだとつくづく思います。

「教育の成果」とは、視点で全く異なってきます。心の中という目に見えないものから、「成績アップ・合格実績」という数字に表せるものまで様々なものがあり、「教育の成果」はこれらの組み合わせでひとり一人違うのでしょうね。

Sアカデミーをオープンするときに、業界関係者から、「合格実績のためには、優秀な生徒を集めることだ。そうすれば、その実績で生徒が集まる」といわれました。確かに、学生講師の話を聞くと、「○○に通っていたけど、塾代は無料でした」(東大)、「○○から合格直後に連絡があり、模試を受験しただけど、『合格実績にあげてもいいか』と尋ねられたんですよ」(千葉大学医学部)など、いくらでも生の話が入ってきますが、全て「合格実績」のためなんでしょうね。

もちろん、塾を続けていくためには、生徒を集める必要があります。だから合格実績も必要なのも分かる。ただ、塾側の考える「合格実績」と、生徒が達成した「合格」との間には差があり、私は全面的に「合格実績」だけを前面に出すことにためらいがあります。(必要なことはしていますけど)

 

2021年度入試(今年度)で、立教大学(文学部)に合格した生徒がいます。中学2年生から来ている彼女は、高校受験では志望校に合格できませんでした。ある会合で生徒が集まったときに、志望校に合格した生徒は制服で来ますが、そうでない生徒は私服です。彼女ももちろん私服でした。それから3年経ち、大学受験では受験した大学、全てに合格し、報告に来たときには満面の笑みでした。

塾側の考える「合格実績」とは「数字」ですが、生徒が達成した「合格」とは「過程があっての結果」なんですよね。少人数授業にこだわると、生徒ひとり一人の「結果」が見えてきます。名前と顔が一致するということは、そういうことです。塾の事務スタッフだけでなく、講師も同じです。だからこそ、日頃の「過程」である授業に対する重みが増し、自学環境である自習室の重要性がより見えてくるのです。

 

今年度も既卒生は全員が最後まで通い続けることができました。そして、今のところ、ほぼ順当に合格を得てきています。これも全て「結果」です。

既卒生は1クラス5名が定員です。(数理は高3生と一緒です) 大手予備校ほど「重厚感」はありませんが、人情はある学習塾です。ご興味ある方は、お気軽にご連絡ください。(0433069241まで)