Chief blog塾長ブログ

2022.06.08

Sアカデミーの教育哲学② 達成感と自尊感情

「英語を学ぶ意義」「数学を学ぶ意義」など、それぞれの教科を学ぶ意義というのは確かにあります。5月中旬に「三角関数より金融教育」と発言した国会議員が多方面から批判を受けていました。この批判は当然でしょうが、「三角関数よりも、お金の儲け方」に興味を持っている人だってたくさんいるでしょう。異文化理解などという外国語学習の目標には「そうでしょうね」と思いつつ、「翻訳アプリ」の普及で、「外国に行っても英語には困らない」「英語を書くことにも困らない」という時代がもう来ているわけですから、「英語ができないと海外からの情報にアクセスできない」というのは昔話になりつつあります。

少なくとも、専門家の語る【意義】は中高生には伝わりにくいのではないかと思います。もちろん、意識の高い中高生はそうかもしれませんが、私が接してきた生徒に「英語教育の意義」について話しても、納得はしてくれても、理念が学習へのモチベーションにはなりにくかった。人を動かすのは理念よりも、事実です。

それより「分からなかったことが、分かるようになった」という体験が学習へのモチベーションになるものです。だから授業は一方通行ではいけないし、名人の落語家が客席を見てから話を決めるように、授業も生徒の顔を見ながら進めていかなければ達人ではありません。どこの理解が深まっておらず、どんな説明・演習を与えればいいのかという+αを常に考えています、私は。

そういう授業の結果として

  • 授業の最初でのリスニングでは理解できなかったのに、最後でのリスニングではしっかりと理解できた
  • 音読を重ねていたら、定期テストでいい点数が取れた
  • 『短文で覚える中学英単語1900』すべて覚えたら英検準2級の問題で合格点が取れた

という実感があると、達成感を持てるようになります。「できなかったことが出来るようになった」「分からなかったことが分かるようになった」という達成感は、人生を歩んでいく上で大きな財産になると思います。確かに理念も大切であることは分かっていますし、理念については勉強もしてきました。日本酒の歴史や酒蔵の理念を聞くよりも、おいしい方がうれしい。そこで興味を持ったら、「火入れってなに?」「酵母ってなに?」と入ればよく、最初から日本酒の歴史を意識した飲み会なんてねぇ。。。

達成感の積み重ねが、自尊感情につながるのではないでしょうか。分かるようになった、出来るようになったという経験は、自分自身を大切にすることにつながります。自尊感情があれば、他者を尊ぶ気持ちにもなります。自分も大切にし、他者も大切にするという気持ちを持った人になってほしいと願っています。

Sアカデミーはこのような教育哲学の元、「わかりやすい授業」「数字に表れる授業」を意識しています。