Chief blog塾長ブログ

2023.05.13

学校の変化

学校の先生が不足しているようです。これから書くことは、私が千葉県の公立高校で経験した高校の教員の変化のごく一部です。

一つ目は教員の条件の悪化です。給与は下がりました。今から30年前は教頭職でも年収1000万円くらいでしたが、今では校長職でもそれに届かず、900万円程度です。教諭も今よりは年収もよかったですね。給与ではなく使命感という声も聞きますが、使命感で生活を送れるはずもなく、当然ながら給与は大切です。それなりに給与も高かったので、土日の勤務や超過勤務はそれほど問題にする必要もなかったのかもしれません。(当時は土日の部活動手当は4時間以上指導して500円でした)

二つ目は増え続ける仕事。何かを始めることはいいのですが、新しいことをするのであれば、何かを止める必要があるのに、何も止めないまま新しいことが積み重ねられていきます。疲弊する大きな理由は、これですね。県教委が始めた「仕事」や、校長が始めた「仕事」は、その体制が変わったからといってすぐに止められるはずもなく、どんどん積み重ねられていきます。勤務時間に仕事が終わるはずもありません。ちなみに、昼休みという教員のお休みの時間に、生徒会関係で生徒を集めたり、頭髪の再検査を行ったりと、働くこともしばしばです。

三つ目に管理職の仕事の増加。どんな組織でも、トップが余裕のない状態であれば、創造的な仕事はできません。しかし、どこの高校でも教頭の仕事量は多すぎます。書類管理からクレーム処理まで20時前に帰れる教頭はいるのでしょうか? 校長もすべての教員と面談をし、すべての教員の授業を見なければなりません。高校になると専門性が高まるので、しっかりと授業を見ようと思えば、その予習も必要で、かなりの負担です。三つ目ともリンクしますが、教諭とは仕事の質も変わり量も増えるので、積極的に管理職を希望する人は、「政治意識の高い人」「出世欲の強い人」という教員的資質とは少し離れた人になってしまいます。校長をリタイアした後に、教諭として現場に戻るのは厳しいでしょうね。
ただ、校長の中には「実績を残すぞ!」という気持ちが強すぎる人もいます。そういう人がトップに来ると、なかなか微妙な雰囲気にもなりますが。。。

学習塾を経営している私がいうのもなんですが、教育は学校がその任を担うものです。その任を担うためにも、教員の条件をアップし、付属的な仕事を減らし、教科指導と生徒指導、進路指導という学校本来の「基本」を大切にする環境になってほしいと思うし、お手伝いできることはしていきたいと考えています。