Chief blog塾長ブログ

2024.01.16

中学1年生の英語の授業が大切な理由

共通テストを終え、もうすぐ小学校6年生が中学1年生になります。高校生を教えていたときには「中学生で学ぶことは少ない」と思っていましたが、今では中学校1年生の学びは中学高校の6年間の中でいちばん大切だと思うようになりました。

中学1年生で大切なことは、基礎の定着です。基礎の定着を、どのタイミングで、どのような教材で、どのように定着に近づいていくか。1回で定着することはないので、中学1年生の教材を俯瞰して、授業内での生徒をしっかりと観察し、その場に応じた例文・問題を提示する必要があるのです。

疑問文を例に考えます。(千葉市内で使われているSunshineを参考にしています)

  • PROGRAM 1
    • be 動詞(am/are)を使った疑問文
    • 疑問詞where
  • PROGRAM 2
    • 一般動詞の疑問文
    • 疑問詞when
  • PROGRAM 3
    • 助動詞(can)の疑問文
    • 疑問詞what
  • PROGRAM 4
    • be動詞(is)を使った疑問文(ここで3人称が主語となる)
    • 疑問詞who
  • PROGRAM 5
    • 3単現のsがある場合の疑問文
  • PROGRAM 6
    • 代名詞の主格/所有格/目的格/所有代名詞(つまり、ここまでに主語・目的語・名詞句の理解が必要になる
    • 疑問詞 why
  • PROGRAM 7
    • there is(are) の疑問文
    • 疑問詞 how
  • PROGRAM 8
    • 現在進行形の疑問文
    • 疑問詞 what
  • PROGRAM 9
    • 過去形の疑問文(一般動詞)
  • PROGRAM 10
    • be動詞の過去形の疑問文
    • 過去進行形の疑問文

これをそれぞれ覚えていくと、「疑問文」が独立した理解になってしまうのです。だから、語順を意識しながら教えていきます。PROGRAM 6までにSVOを意識させる必要があるので、それまでに、次の文型を覚えさせます。

  • SV(どこ)(どのように)(いつ)(理由)
  • SVC(どこ)(どのように)(いつ)(理由)
  • SVO(どこ)(どのように)(いつ)(理由)

疑問詞を使わない疑問文のルールを、疑問詞を使うときにも、語順を意識させながら繰り返します。たとえば、Who is that woman?(PROGRAM 4)は次のように教えます。

  • That woman is who.
    • 疑問詞は文頭に、be動詞の裏にはdoが隠れていないので主語の前に移動させて次のような英文ができます。
  • Who is that woman?

同じように、Why do you like baseball?(PROGRAM 6)は次のように教えます。

  • I like baseball ( why ).
    • 疑問詞は文頭に、likeの裏に隠れているdoが主語の前に移動して次のような英文ができます。
  • Why do you like baseball?

このように、語順+疑問詞+疑問文のルールを常に意識させることで、疑問文と語順(文型)とを一緒に復習できます。

授業をしながら、生徒の反応を見つつ、どの項目の復習が必要かを見極めて、その場で例文・問題の提示をしています。中学1年生の授業は、こちらの高校生ほど授業をコントロールできるものではなく、どんなボールが飛んでくるか分からないので、授業のやりがいがあるのですよね。