Chief blog塾長ブログ

2020.07.15

千葉県公立高校入試の裏側2(抽出答案とは?)

医学部の不正合否判定の報道がなされたときに、私は信じられませんでした。「あれだけガチガチの入試判定システムなんだから、ミスはあったとしても不正は無理だよ」と本気で思っていたほど、公立高校入試には「恣意的な判定」は不可能です。

千葉県は情報公開も進んでいます。たとえばこちらのページです。

ここには、入試のほぼ全ての情報が公開されています。受験者の得点分布も載っており、英語に苦しんでいる中学生がどれほど多いことか分かると思います。標準偏差も24.5(前期)だしね。それに、結果の説明までしてくれています。

また、「問題の内容及び正答率・無答率」も、前期後期、全教科で公表されています。この資料によると、数学(前期)の最後の問題(「空間図形(円錐・円柱の体積)」)は、正解率が6.9%、無答率(白紙)が48.8%ということが分かります。難問だったということです。

この「問題の内容及び正答率・無答率」というのは、全ての解答用紙をチェックするわけではなく、その年の西暦の末尾と同じ答案(たとえば、2021年なら、末尾「1」)を取り出し、結果を各学校でまとめます。この取り出された答案を「抽出答案」といいます。ひとり2~3枚程度の答案を見て、教科主任が「大問1(1)で正解」というと、先生方が指で「1」「2」「3」というように示し、それを主任が数え、その結果を県教育委員会に報告します。そして、県教育委員会がまとめ、「結果」として公表します。

この「抽出答案」の結果をまとめているときに、採点が間違っていたらどうなるか。

全ての採点をもう一度、行うことになります。

何度も繰り返しますが、公立高校入試には不正行為が行われることは100%ありません。(「部活動推薦」というグレーな仕組みが一時期ありましたが、現在は全てが点数化されています。)