Chief blog塾長ブログ

2021.04.02

学校の先生はえらい

20年ほど前のことだが、「非暴力的な危機回避トレーニング」という講座を受講した。『相手と話し合うときには正面にたたない』という立ち位置がその基本で、確かに正面に立たれると緊張感があるが、横(90度)の位置だと緊張しない。「=」の位置ではなく、「L」になるとお互いに冷静になれるのだ。

学校に戻ってみると、生徒指導の上手な先生は確かに「L」の位置で生徒と話している。そういう先生は、経験則で「理屈」を身につけていくのでしょうね。尊敬する先生の方法をまねしているうちに、そのようなスキルを若い先生方が身につける。そしてその先生の「色」がつき、個性のあるいい先生になっていく。学校文化とはそういうものです。生まれつきの名医などいないのと同じように、生まれつきの優秀な教員は存在しない。

生徒指導には「免許」はないが、授業を行うためには「免許」が必要だ。この専門性が、他者から学ぶことが難しくさせている。お互いに遠慮してしまうから、気になってもいわないこともあるし、自分からほかの先生に教えてもらいにくい。そういう先生方をいちばんサポートしているのは、他校の先生や大学の先生だろう。決して、塾や予備校の講師ではない。

学校の中では授業以外の仕事も増えて、教材研究に費やす時間も減ってきている。先日、数年間ほど一緒に働いていた元同僚に聞くと、「あの頃よりも、よっぽど多忙化が進んでいる」とのことだ。学校の先生には守秘義務がり、話してはいけないことが、業務上にたくさん存在する。もっというならば、話してはいけない仕事ほど時間がかかる。生徒指導や学習サポート、家庭の問題(価値観問題からDVまで)など、生徒が学校生活を送る上で必要なサポートをしているから、勤務時間になったから帰ります、といえない日も少なくない。

 

学校の先生を小バカにするような塾・予備校の講師は滅びてしまえ。

 

1年ほど前の緊急事態宣言の時に、塾や予備校がいかに学校の授業に依存していたか思い知ったはずではないか。たった週1回の授業だけで学力が伸びるはずもなく、「学校というリズム」の中で塾や予備校は「果実」をいただいているのに、その自覚もなく、「内申点のためには、○○だ」なんて「おまえはバカか」という言葉しかない。

 

バックネット裏で「監督采配」を楽しんでいる人はビールのつまみにいいかもしれないが、教育でbackseat driverは現場の士気を下げ、教育全体の生産性を下げていく。