Chief blog塾長ブログ

2021.08.27

少人数のメリット

ネット上には頭がとてもよく、理性のみで動く人もいるようですが、そういう人は見なくてよろしい記事です。

私が英語の授業で大切にしていることは、感情です。科学的ではない何かで人間は動きます。たとえば、人を好きになったり、嫌いになったり。なんとなく(ただし確信を持って)右に行ったり、左に行ったり。誰しも冷静に判断し、損得勘定(エゴ)で動くとは限りません。ところが、自分の都合となると相手に「理性」を求めることがある。あくまでも学習の話です。

授業者は「こころは、前に勉強したよね」といってみたり、「このように勉強をすれば、半年後には英語が読めるようになる」といってみたり、とても正しいことをいう傾向があります。確かにその通り。授業者は生徒のことを、1ヶ月前に勉強したことは覚えている、「正しい」カリキュラムでの学習は英語力アップにつながる、と考えがちですから。

しかし、現実はそうではない。それで勉強ができるようになるなら、苦労する人はいません。1ヶ月前の学習を覚えている人は少ないだろうし、正しいカリキュラムを順番にすべてを理解していくことも無理でしょう。もちろん、「理性的に学習が継続できる人」もいるかもしれませんが、そういう人はすごいですね、としかいえませんが。

授業者にとって必要なことは、授業を進めていくだけでなく、生徒の様子を見て、「ここは分かっていない」「これは大丈夫」と判断し、時には復習をしたり、時にはペースアップをしたりすることだと私は思っています。特に中学生にはこれを大切にしています。たとえば名詞句を意識させて、それがSやOになる(とりあえずCは脇に置いておく)と教えても、それが1回で理解できるはずもなく、場面を見つけては「名詞とはなんだっけ?」「これは名詞のグループ?」など繰り返します。そして、名詞の理解が足りないと思えば、そこに時間を取ることもありますし、理解のステージが上がったと思えば、学習のペースを上げます。生徒をしっかりと観察することはとても大切なことです。

生徒の個性も考えつつ、声もかけます。かけないこともあります。「勇気づける」といっても、「励ました自分」を存在させるのではなく、生徒がどうすれば学習を継続するのか、成長していくのかを考え、付き合い方も当然、変えていきます。私自身がすべての生徒を把握できることが、少人数の授業のいいところであり、生徒ひとりひとりの居場所になっていくきっかけないのでしょうね。