Chief blog塾長ブログ

2022.03.17

予備校選びのコツ(既卒生編)

今から四半世紀前、予備校街には『浪人生』があふれかえっていました。私も当時はその一人で、高校の卒業式の後に新しい気持ちで勉強するというよりは、「あ~ぁ」という気持ちでした。ゴールデンウイークは雨が降っていたので、それを喜ぶ自分もいました(苦笑) 古い経験ですが、『自分が浪人していたときにこんなサポートがあったらな』という思いがSアカデミーの既卒生クラスの基礎になっています。

既卒生の面談も始まり、「Sアカデミーの強みはなんですか?」と尋ねられることも増えてきました。確かに大手予備校の知名度に比べると不安だし、本当に大丈夫か分からない。それなのに合格実績が出ているのはなぜ?という疑問は当然のことです。

「強み」という言葉が適切かどうかは分かりませんが、普通のことを普通にしているということです。生徒の出席を管理し、基礎から学ばせ、自習室を提供し、雰囲気に違和感を感じたときにはすぐに面談を行っていく。今年度からは講師間の横の繋がりも強化していきます。勉強は押しつけるのではなく、自分で学ぶ環境を作り、質問があるときにはすぐに講師に聞くことができる。そういうクラスを作っているだけです。別に特別な魔法があるわけではなく、普通のことを普通にしているだけです。知名度や生徒数ですべてが決まるなら、カップラーメンが最高のラーメンになるでしょうが、私たちが目指すのは、自分たちで出汁を取り、いい麺を使い、おいしい1杯を提供する専門店です。その結果として、既卒生クラスを始めてから「完走率100%」(最後までドロップアウトせずに学習を継続できた)で、今年度は8名の既卒生ながら「早慶6名、理科大3名、GMARCH2名そのほか多数」という圧倒的な実績でした。

これから数万人以上が「浪人生活」を始めるでしょうが、かなり多くの人が途中でドロップアウトするそうです。「するそうです」という伝聞系なのは、どの塾や予備校も「ドロップアウト」(中退率)は発表しません。もっといえば、塾や予備校には「中退」という定義もないでしょうし、授業料を納めていれば形式的には「在籍」となるでしょう。出欠管理は、卒業進級がある学校は管理しますが、塾や予備校はそれほど管理しません。既卒生にとっての最初の危機は9月です。共通テストの申し込みがあり、受験が現実のものとして迫ってきたときに、気持ちが少し不安定になります。次に12月。受験の手続きが始まるこの時期は、当然のことながら緊張感も高まります。学習のギアを高めなければならないこの時期のメンタルの安定と学習時間の確保の両立はこの1年間でもっとも大きな課題になるでしょう。

この記事を見ている皆さんが、「カップラーメンは売れているから信頼できる」というのであれば、売れているところがいいでしょう。カップラーメンを好むなら、「君なら大丈夫だ」「普通にやれば点数は伸びる」といってくれるので、「知名度+言い切り」という安心感と親和性が高いと思われます。ただ教育学や心理学を学び、教育の実践家として長く続けてきた私は、講師が生徒の名前と顔が一致しなかったり、教員免許すらもたない事務スタッフが担任という役割だったりするのは、教育としての基本ベースもないところだと思います。

1年間の予備校生活をするのであれば、次のようなところが大切になるでしょう。

  • 生徒の名前と顔を講師が一致できるほどのクラスサイズ
  • 生徒が来なくなる率(ドロップアウト率)を答えられる
  • 生徒との面談はプロ(教員免許状保持者や臨床心理士など)が行う
  • 自習室が充実している

勉強は皆さんが行うものであり、その場の知名度が行うものではありません。来年の受験を目指して頑張っていくという皆さんの覚悟を受け止め、サポートしてくれる塾予備校を見つけられるといいですね。