Chief blog塾長ブログ

2022.05.06

塾・予備校講師的職業的倫理観

昔からいわれていることを、さも自分が発見した、自分の所属しているところでは、という講師がいる。その是非を問うものではないので深くは入らないが、ご存じのあの方のことです。確かに、onは「接する」とは多くの人が学生時代に習ったことで、「新たな発見」ではない。「石の下には小さな虫がたくさんいるんだよ!」と、子どもが庭で誇らしげにいう「発見」と同じレベルだろう。

件の講師のいうことに、「そんなことは新しい発見ではないだろう!」という当然の突っ込みがでる。昔の参考書にも書いてあるし、「そう習ってきた」人たちも少なくないからだ。「誰に小さな虫がいることを聞いたの?」という問いに「自分で!!」と子どもが答えるならば微笑ましいが、いい年の大人が自分の発見のようにいうのはおかしいということは当然のことだろう。

ただ、これが法律違反なのかというと、そうではないでしょう。関係者はきっと職業的倫理観が異なるから反応してしまうのでしょう。この職業的倫理観は人それぞれだし、自分のポジションを正当化できるものだから少し面倒くさい。

この職業的倫理観を前面に出すと少し皆さん、面倒になりませんか? 塾や予備校の倫理観はどうなのかなと私は思うことがあるわけです。えげつないことをしていませんかね。いちばん感じたのは、コロナ禍で休校が決まっているのにも関わらず、ギリギリまで既卒生を募集していた大手予備校。休校期間に報酬を保証されていた講師の先生方にとってそのお金を受け取ることは職業的倫理観には抵触しなかったのでしょうか。
既卒生がどんどんやめていく状況はどう思うのか。生徒の名前と顔が一致しないことはどう思うのか。東大に入れそうな生徒を無料の「特待生」にして、その生徒たちの実績を前面に出し、有料の生徒を入れることはどう思うのか。自分たちが働いている組織のことは何とも思わないんですかね。不祥事を起こした講師をHPからスッと削除するところだってありましたよね。

「それは生活があるわけですから」というのであれば、自分が傷つかないような「職業的倫理観」を前面に出すのは大人げないかなぁ。もちろん、「自分たち独自なものだ」という人が正しいといっているのではなく、ポジショントークと思われることを絶対安全地帯から正義感の顔をして批判をすることは、大人の振るまいとしていかがなものかと思っているだけです。

自分の理想を前面に出すならば、自分で塾を起業すればいいだけですよね。もちろんリスクはありますが、思い通りのことはできます。(私は起業する人と政治家に立候補する人には敬意を持っています)

そうですね、私は自分にとって理想だと思うことを進めていくだけですかね。