Chief blog塾長ブログ

2022.06.28

歩き始める時期、おむつの外れる時期、テストが気にならなくなる時期

「他の子よりも早く、強く」というのは、多くの親が望むことです。子育てが終わったので気楽にいえるのかもしれませんが、子どもが小さい時期にどうしてあんなことが気になったのだろうかと思うことも少なくありません。歩き始めるのが他の子よりも早かった、2歳になる前におむつの外れたとか、言葉を発するのが他の子より早かったとか、そういうことが誇らしげだったり、妙な暗い気持ちになったりとか、よくあることです。

このブログをご覧になっているのは、主に中高生に関わる立場(仕事)の方でしょう。皆さんが関わっている中高生で、今でも歩けなかったり、おむつだったり、話せなかったりする若者はいるでしょうか。ハンディキャップを持っていない限り、おそらくいないでしょう。また、保護者の方は今になってみると「どうしてあんなことにこだわったのだろう」と思わないでしょうか。

Sアカデミーの学生スタッフに「中高生の時に定期テストが80点から70点になったら暗い気持ちになった?」と聞くと、全員が「なった」と答えました。「今となってはどう感じる?」と聞くと、全員が「なんであんなに気にしたのか笑ってしまう」と答えています。たった1~2年前のことです。過ぎ去ってみると、「どうしてあんなことで悩んだのか」と思うことは、いくつになってもあるのかもしれません。おそらく、私自身の現在の悩みもあと数年もたつと「どうしてあんなことに悩んだのか」となるに違いありません。

子どもが学校で先生と付き合う時期など人生にとっては一瞬です。ましてや、塾で付き合う時期などさらに一瞬です。お子さんを大切に思う気持ちは、学校の先生よりも塾の先生よりも、親の方がよっぽど大きいですし、付き合う時間もずっと長いものです。だから、ゆったりとした気持ちで子どもの成長を見つめていくということは大切ですし、反抗期の時には距離も置くということも大切ですし、子どもの人生は子どものものだという「あきらめ」も大切です。私も含めてですが、親の願ったような人生を送っている方なんて、まずいないでしょう。自分がしなかったことを、お子さんに求めるのは酷なことです。

ただ、心配することは親として自然のことなので、心配することをやめた方がいいといっているのではありません。ふとしたときに、こんなことを思い返すと気持ちが楽になるかもしれません。